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坂田さんお誕生日おめでとうございます
短文
※ ※
「はっぴばーすでぃーとぅーゆー・・・」
隣の布団で寝ていた銀さんを腹ばいにし上に圧し掛かった僕に、それまで寝ていたはずの銀さんが突然歌いだした。
起きていたのかと驚いた僕は銀さんの顔を覗きこむけれど、瞼は閉じたままで歌い声に混じった寝ぼけ声が僕を否定する。
音量が低いのは、きっと押入れで爆睡しているであろう神楽ちゃんに考慮しているのだろう。
基本音楽を聞かない銀さんは知っている曲が少ないのか鼻歌以外の歌はめったに歌わない――だからちょっと珍しいかな?
銀さんの歌を耳で聞き入れながら、僕は銀さんに乗ったまま銀さんの寝巻きの合わせ目をほどきにかかった。
現れた日焼けのしていない素肌は鍛え抜かれた筋肉で腹が立派に割れていて、その男らしさに少し羨ましい気持ちになりながらも僕は銀さんの歌に同調するように一緒に歌った。
寝ぼけ声の音程に混じった調子の外れた声には少し大目に見て欲しい。
なんてたって今日は特別の日になるんだから。
銀さんの身体に手を這わせ撫でながら、ちゅぅっと小さく口づけを落とすと銀さんはくすぐったいのか可笑しいのか少し笑った。
「はっぴーばーすでぃー・・・・でぃあ」
続く歌に本日の主役の名前を歌おうとした僕の唇を銀さんの唇で封じられた。
口づけの合間に互いの舌でお互いの熱を感じあう。
すぐに息が切れてしまう僕は酸素が欲しくて鼻や口から吸おうとするも、それさえも銀さんのキスでうまく吸えない。
それどころかこのキスで一番熱を持った箇所が腹ばい上になった銀さんに伝わってしまったようで、とても恥ずかしくなった。
生々しい熱を押し付けられた銀さんも引くどころか、同じように熱くなった部分を逃げ腰の僕に押し付けますます煽れる始末。
しつこく吸い付いていた僕の舌を放した銀さんは、肩で息をする僕にだけ聴こえるように歌の続きを歌った。
「はっぴーばーすでぃー・・・・でぃあー・・・俺ー」
「・・・・なにそれ」
直後に視界が反転し、気づけば僕の目線は銀さんと天井を見上げていた。
見下ろしていた筈の銀さんの表情は、僕の眼から見てもいやらしいスケベ親父みたいな小憎たらしいニヤニヤ顔をしていた。
正直いつもなら殴り飛ばしたいけれど、今はそれよりも最優先にしなければいいけないことがある。
頬を銀さんの舌でべろりと舐められた僕は、寝巻きの紐を解かれながら耳元に唇を近づけた。
彼にだけ聴こえるように。
銀さんへ歌う。
「はっぴばーすでぃーとぅーゆー・・・・」
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>>お題 postmanより
襲い受け新ちゃん
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