忍者ブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

サイレントマンの希代

泥棒新八 銀新
アー!なぬるいえろ有り













※          ※

 はじめまして、僕は泥棒です。
 同業者の皆さんからは『八』という渾名で呼ばれてます。

 僕がこのような職業についたのには、特に深い理由があったわけではありません。
 別に就職難とか生きていくのに辛かった末の行動だとか、そうゆうわけではないので予め誤解しないで下さい。
 
 僕の家系は古くから伝わる『義賊』でした。
 昔は今のようにセキリティーや防犯対策なんて、あってなかったようなものでしたので不法侵入はお手軽だったんです。
 近年、高成長を続ける社会はますます防犯システムが過剰になり、それにともない僕らのような血族はとても生き難くあります。
 ぶっちゃけ、こんな事しなくても普通に真っ当な職業につき、お金を稼いだほうがとても人生を有意義に過ごせるんです。
 ・・・本当は、僕も分かってるんです。
 
 人様のお宅にコソ泥を働くような真似なんて・・・!


 でも思うんです。
 こんな時代だからこそ、先祖代々から伝わる古の職を僕の代で無くしていいものかって―――。
 こんな時代だからこそ、人々に諦めない夢と未来への可能性を与えるべきなんじゃないかって――――!
 



「・・・で?」
すんませんでしたあああああああああああ!!!!!

 ふわふわにスプリングが揺れるベットの柱にネクタイで両手を繋がれた憐れな姿で、泥棒の八は泣き叫び必死に謝った。
 たまたま泥棒の八がターゲットに選んだ部屋は、古臭いアパートでも格式の高いマンションでもない中クラスの庭付き一戸建ての家だった。
 こういった家は影が外の視界に入りにくく、逃走経路もいくつかパターンが決めやすい。
 とりわけ家の主は少し位が上の公務員であること、まだ子供がいない中年夫婦であること、年末から正月明けまでは夫婦そろって海外で過ごすことを下調べしていた。
 ならば、絶好の機会であると踏み年末から年始に移り変わる時刻早々泥棒の八は先祖代々から続く“お仕事”をしに、ターゲットの家に足を踏み入れた。

 したらば、結果どうだろう。

 居ない筈だった家主の代わりに別の人間がおり、泥棒の八が家の中に侵入を果たし家財を漁っていた同時刻この人間は泥棒の八から完全に気配を消し息を潜め、気づいた瞬間にはすでに時遅し。
 泥棒の八は背が低く華奢な体躯であったが、幼い頃から泥棒の訓練を積んできた為に運動神経や気配を察知する敏感さと瞬発力は、他の人間よりもかなり優れている方である。

 そんな泥棒の八が、捕まる寸前までまるっきりこの人間の存在に気づかなかったのだ。

 かなり腕の立つ人間であると、泥棒の八は長年のプロの勘として睨んでいた。
 そして、とても厄介な事になってしまった。
 そしてそれ以上に、今すぐ逃げ出したかった。目の前の恐ろしい変態男から。
「すっっんまっせん!すんませんすんませんすんません!!悪気は無かったんです!すぐに出て行くつもりだったんです!泥棒の僕が言うのもなんですが、本当なんです信じてください!!」
「うんうんわかったわかった。で、本名と住所と電話番号は?」
「ひいいいいいい!!すいませーーーーーん!!!ほんとマジ警察だけは勘弁してください!こんなこと姉に知られでもしたら僕生きてけません!!」
「へーお前ネーちゃんいるんだ?美人?」
「ええそれはもう!自慢の姉です!性格にちょっと難ありですけど・・・」
「まあ昔っから別嬪さんは性格悪ってのが主流だったからなぁ」
「そんなこと姉の前では絶対に言わないでくださいね。でなければ、マジ恐ろしい結果になりますから」
「なにそれ。お前ゴリラのネーちゃんにでも育てられたの?」
 軽く言い合いしながら、己を見事捕らえたこの銀髪男は意気揚々とベットの上でマグロ状態にある泥棒の八の上に跨り着衣の中を弄る。
 銀髪男が泥棒の八が所持していた泥棒グッツや携帯用のスタンガンや小型のサバイバルナイフなどを次から次へと没収していった。
 眼くらまし用の煙玉が出てきた際には、思わず「時代錯誤もいいとこじゃね?」とつっこんだ。 
 手荷物や重い道具一式など一切持っていない泥棒の八の身軽な格好とは裏腹に、次から次へと出てくる危ない物的証拠類がこの泥棒の八の華奢な格好のどこに一体隠し持っていたのだろう。
 銀髪男は呆れよりもむしろ感心してしまった。 

 そんな銀髪男とは裏腹に、泥棒の八は衣服の中を弄る男の掌がくすぐったくて仕方がなかった。

 笑いを噴出しそうになるのを必死に堪え、顔を赤く染め身体をプルプル小刻みに震えさす泥棒の八の姿は卑猥で悦ばしく、上に跨ったまま見下ろす銀髪男はごくりと喉を鳴らした。
 黒髪がシーツの上に広がり、鮮やかな波紋を描いていた。
 大きな瞳が今は閉じられていることがもったいなく思った。
 着衣を漁っていた手は黒いシャツの中に侵入する。

 すべらかな肌が男の掌に馴染んだ。

 小さく尖がった頂きを摘むと、ヒィッと敏感に声を上がった。
「・・・・感度は上々なわけね」
「あっあっちょ・・ちょっと!?何して、やっ!やだっそれ・・・んっ」
 摘んだ頂をコリコリ弄り、キュウと引っ張ったり弾いたりすれば驚くほど反応が良く返ってきた。
 男の掌の動きに一々反応し、身体をビクンビクンと震わせる八の痴態に銀髪男はますますのめり込んだ。
 悪戯がどんどんエスカレートしていくとこに恐怖と焦りを覚えた八は、この手を止めさそうと声を張るも口から零れるのは甲高く甘い吐息だけで、それが返って男の興奮を悪化させていることに気づいていなかった。
 拘束された両手では満足に反抗することもできず、身体を捻り男の行動を制止させようとするが一向に精が出ない。
 辛うじて自由が利くはずの両足をバタつかせても、上に跨る己よりも大きな男に押さえつけられてしまっている。
 黒シャツを上まで捲し上げられた瞬間、肌寒い空気に身震いしたがそれ以上に嫌な予感がした。
 摘まれていた片方の手が離れると、フワフワでくすぐったい銀髪が胸の上で揺れている。
 未だに摘んでいるもう片方の手はそのまま指を動かし八を喘がせていると、解放され淡い紅色に染まった小さな頂を生暖か舌が這わした。
「いやぁッ!それやだぁやだぁ・・・ァあっ!イヤァ吸っちゃやァ・・・・!!」
 濡れた舌で先ほどと同じようにコリコリ弄られ舐められていると、ツンツン硬く尖がり男の唾液で濡れた乳首を口の中にぱくりと咥え態と音が聴こえる様にちゅうちゅう吸った。
      

 照明が消えた室内には薄いカーテンから頼りなく零れる星光が照らし、家主が愛用している大きなダブルベットに押さえつけられた少年の喘ぎ声はこの部屋一室だけに零れていた。
 涙で濡らした大きな瞳は初めて与えられる熱い快楽で満たされ、目の前に広がる薄暗い室内の光景や見知らぬ天井をぼんやりと焦点が定まらずに見上げた。
 開きっぱなしの口元から零れ落ちる唾液が白いシーツに零れるが、頬を伝う唾液すら男の熱い舌に舐められてしまう。
 
 ベルトを外され履いていたトランクスまでも一緒に脱がされ解放された下半身からは、くちゅりくちゅりと水の音がしている。
 片方の手は変わらずに胸を摘んでいるが、空いた片方の手は少年の未開発の竿の先端部分を握っては溢れ出る液で男の大きな手を濡らした。
 紅く見下ろす瞳を細め、堪らないと言わんばかりに溜息を吐いた。
「はぁすっげ・・・」
「ぁ・・・ぁぁ・・・!はぁ・・・ぁぁぁ・・・・!」
「どうだ気持ちいいだろ?お前童貞っぽいもんな、女にもこんなことしてもらったことねーだろ?」
「はぁっふぅっ・・・お、ねが・・・もう・・・!」
「・・・・かーいそうにねお前。俺みたいなヤローにとっ捕まっちってさ」
 同情めいた言葉とは正反対に口元をニタリと上げると、握ったままトロトロに濡れ固くなったモノをしゃぶり溢れ出る液を勢いよく吸い上げた。
「ああああっっっ!!」
 いきなり下半身から襲い掛かる衝動に身を震わせ身体を弓そりになった八は、体内中の液を全て吸い獲られていく感覚に頭の中を真っ白にしチカチカ点滅させた。

 力の張らない腕力で、八はなんとか封じられている両手に結ばれたネクタイを解こうとするもまったく叶わない。
 そんなにきつく結んでいるわけではない筈だが、それでも結び部分が手に擦れて痛かった。
 真っ白になった脳内が再び、覚醒するとシュルリと音が聞こえた。音のするほうに目線を動かすと上に跨ったままの銀髪男が、八の両手に結ばれたネクタイを緩め解いていた。
 解放された両手には結び目の痕が鮮やかに赤く残り、男がその痕を指で優しくなぞっている。
 あまり表情を出さない人柄なのだろうか顔は対して変わらないようでも、口元は緩くニヤニヤ笑っている。

 何がそんなに可笑しいのか、それとも嬉しいのか―――

「・・・・あんた誰」
 思わず呟いていた声は、小さくかすれ殆ど聴こえない。
 それでも八の声は届いていた。
 銀髪男はそのモサモサした天パのうしろをがしがし掻き、んーと返事を濁す。
「ぱっつあんのストーカー」
「はぁ?」
 眉を顰め疑問を表情に表す八に満足すると、男は八の顔を覗きこんだ。
「お前が聞きたいのは、なんで今夜俺がこの家にいるのかってことだろ?自分の下調べに落ち度があったんじゃないかって、プロとしてちょっと落ち込んでんだろ」
 ちょっとではなく実はかなり落ち込んでいた。今までこんな失敗など一度もなかったからだ。
 八は返事の変わりに、男を映していた瞳を逸らす。
 そんな八の顎に手を添え、無理やり己の方に向けると距離を縮めた。
「まぁそんな顔すんなよ。お前の仕事にはなんも失敗するような事なかったからさ」
「え・・・」
「ただちょびーっとだけ、俺の都合良い展開に誘導させてもらったけどね」
 悪戯を報告するような笑みでにやつかせると、八の耳に口を寄せ呟いた。

「ね―――『志村新八』 くん?」
「!?」

 大きな瞳が零れるのではないかと心配してしまう位、驚く八は声を失った。
 嫌な汗が額から伝い落ち、熱かった肢体から熱が冷えていった。
 掴んだままの八の両手を片手で握り締め再び拘束した男は、明るい口調でからかう様に続ける。
「んだよー言ったじゃん俺。ぱっつあんのストーカーだって!まっいきなり言われて信じるのは難しいけどな。あーじゃあ、俺が知ってること言おうか?えー・・・志村新八16歳、高校1年、地味で冴えないパシリのメガネっ子、アイドル寺門通の大ファン、家族構成は2歳上の姉が一人、名前は妙、確かにあれはべっぴんだけどなー性格っつーかさーむしろ前世はきっと大魔王四天王の一人だったんだよあれ。うん。」
「・・・・・」
「ちなみに、なんでお前が『泥棒の八』って呼ばれてんのかも言ってやろうか?」
 ベラベラしゃべっていた銀髪男はそこで一旦区切ると、青ざめていく新八の返事も聞かぬまま続けた。
「『八』っていうのは、お前の名前から捩ったわけじゃない。泥棒の八が初めて裏家業に手を染めたのが、八歳の子供の時だったからさ。当時は誰もガキの犯行だなんて信じちゃいなかったようだけど」
 この男は己の本名から個人情報までを一体どうやって調べ上げたのか。
 泥棒という裏家業の手前、どんなに小さな油断でも手を抜かずやり遂げてきたつもりだった。
 いつかは捕まるかもしれないという追われる立場として、跡をつけられたり裏で妙な動きをしている者の存在などはすぐさま見抜ける自信とそれ相応の力を自分も姉も持っている。
 自分たち姉弟にまったく気づかれない様に、この男はすぐ傍まで接近していた。
 かなり腕の立つ人間どころの話ではない。
 姉弟を上回る圧倒的な力で、ねじ伏せようとしている。


――捕まってしまった。

 逃げなきゃ。逃げられない。逃げたい―――姉上
 ごめんなさい。ごめんなさい・・・・逃げて


「―――何が望みだ」
「んん?」
「僕はどうなっても構わない。でも、姉に手を出してみろ、僕がお前のその粗末なモン噛み潰してやる!」
「・・・・」
 声を低くし凄みを効かせ睨んだが、この男にどこまで通じるのかは新八にはわからなかった。
 新八の思いに感じるところがあったのか、死んだ魚の様な目をした銀髪男は黙り込み新八を見つめた。
 お互いそのままの時間が流れてたが、しばらくし銀髪男の方が動きを見せた。
 溜息をこぼし、後ろ髪をがしがし掻く。
「新八くんよぉー、なんか勘違いしてね?俺はお前ら姉弟をどうこうするとかお前のネーちゃんをナニしようとかそんなことこれぽっちも考えちゃいねーよ」
「・・・そ、それなら一体どうゆうつもりで」
「俺はただ、泥棒の八をこの手でとっ捕まえたかっただけ。ガキの頃ウチに忍び込んできたお前をよ」
「え・・・それって、じゃ、じゃああんた」
「はいっ昔話はまた今度!とりあえず、お近づきの印に俺と一発お願いします」
「はっっっはいいいいいい!?あんたなんつー原始的な口説き方してですか!!あれ、口説かれてんの僕!?」
 再び覆いかぶさろうとする目の前に変態男に、ぎゃーと騒ぎながら自由になった両足で遮る新八。
 男を殴り飛ばしてやると勢いつくも、逆に男に両腕を捕まれシーツに押し付けられてしまった。
 身につけているのは黒シャツ1枚だけで、それも胸の上まではだけている。
 なんとも艶めかしい肢体だと男はにやつかせたが、いかんせんその陶器のような白い素肌をした両足で力ずくで腹を押されているのでとても苦しい状況だ。
「ぐぐぐぐ・・・新八くぅんちょっとでいいからさーこの足どかしてくんない?俺もどくからさー」
「うう・・いいですねっそれ!それじゃあせーのっでいきましょうか」
「よしっそれじゃあせーーーのっ!・・・っておいいい!なんで足どかさねーんだよ!!」
「あんたこそっ!なんでますます力要れてんですか!?もういいかげんにしないと警察に突き出しますよ!」
「ほー!やってみろよ、お前も道連れに一生ムショで幸せな家庭を築いてやる」
「馬鹿ですかアホですか変態ですか!僕は警察に捕まるようなヘマはしませんよ!!」
「何その3拍子!!てか警察っつったか、警察かー、警察ねーほーお・・・」
 とたんに顔の笑みを深くさせ、どこか余裕をもたらす銀髪男に不気味な気分になった新八は一刻も早くこの場を逃げ出し、ついでにこの変態強姦ヤローをくだんの警察に突き出し・・その前に姉に言いつけて3分の1殺しにしてもらわなければ。
 そう決意すると、不思議と力が湧いてきた。火事場の馬鹿力というものだろうか。 
 意気込み、腹に当てる両足に力を入れ直した瞬間――――ポロリッ
 男の着ている白シャツの胸ポケットから、零れ落ちた物が新八の胸にパサッと音を立て転がった。
 そのままの体勢で一時停止する両方は、同時に落ちた物を目線だけで確認する。
 男は「アッ・・・」と小さく呟いたが、新八は声が出なかった。

 男が落とした物は、黒い手帳で中心には桜の紋様が金色に輝いていた。

 
「・・・・・・・・・・。」
「あーあ落ちちゃったー」
 腹に当てる足に注いでいた力が萎え、視線は黒手帳から外せなかった。
 男はこの機会をモノにするわけでもなく、身体を起こしその黒手帳を拾うとそのまま元の胸ポケットに仕舞いなおす。
 わざわざ表の紋様を新八に良く見えるようにしながら。
「・・・・・・・うそだ」
「まあ安心しろよ。俺はお前を捕まえたくって仕方が無かったけど、警察に渡すつもりなんてこれっぽっちもなかったし手柄にするつもりもねーからよ」
「・・・・・・偽者でしょそうでしょ」
「だから安心して、お前は泥棒家業から足を洗っておまわりさんの嫁さんに来ちまえばいいから」
 男は最後に、新八にとっては一生忘れられない極悪な笑顔をした。

――ねっ、しーんちゃん?




 実際、この時新八は鶏が首を絞められたかのような悲鳴をあげたのか、それともそのまま気を失ったのかはまったく覚えていなかった。
 けれども、心許ない記憶の中で
「じゃ、お互いの自己アピも済んだことだし俺んち行って続きしようぜ。このままヤッてもいいけど、この家俺の古い馴染みんちでさーやっぱ気がひけんじゃん?あ、ちなみになんで俺がこの家に本当にいたのかっていうと、ほら留守中の警備ってあったほうが安心じゃん?それにこの家、お前以外の“同業者の皆さん”にも目つけられやすいのよ。俺がそのたんびにボコッてっけどね。いやー新八くんがこの家に目つけてくれてほんと良かったわー正月休み返上して罠張ってた甲斐があったなーこれって姫始めじゃね?」

――という男の長台詞が残っていたことは確かだ。
 が、それ以上に厄介な現実が新八の目の前に既に起こり始め、落ち着いたお正月を過ごせそうになかった。
 その後、泥棒の八がどうなったかは今の時点で不明のままである。

 
 
     
  
 
 







※        ※     
>>postman お題より
実は警察でしたっていう。正月早々やっぱ姫始めだろう!っていう・・・(うん爆発しとこうか)
本年もよろしくお願いしまーす^▽^

拍手

PR

Copyright © 倉庫(+雲。) : All rights reserved

「倉庫(+雲。)」に掲載されている文章・画像・その他すべての無断転載・無断掲載を禁止します。

TemplateDesign by KARMA7
忍者ブログ [PR]